学生の選択肢は11・3日比谷だ

  • 戦争翼賛の総選挙許すな

 自民党はいま総選挙で「過半数割れ」の危機にある。戦争・物価高・困窮・政治腐敗に対する人々の怒りが自民党を追い詰めている。この情勢に対して19 日、自民党本部に火炎瓶が投げつけられ、車で首相官邸に突入を試みる行動が叩きつけられた。自民党がやってきたことの数々を思い返せば、「この程度」されて当然だ。

 総選挙の「石破・自民党か、野党勢力か」という選択肢にわたしたち労働者・学生の未来はない。自民党と一体化して「日米同盟の維持・強化」を叫ぶ立憲民主党はいうまでもなく、日本共産党や社民党、れいわ新選組なども沖縄・琉球弧のミサイル基地化をはじめとする米日の中国侵略戦争への突進に正面から触れようとせず、戦争に向かう動きに完全に屈している。戦争の危機を前に、日本の議会は戦争翼賛体制、挙国一致の状態にすでに転落してしまっている。

 11 月3 日、日比谷野外音楽堂で開催される全国労働者総決起集会に6000 人の大結集を実現することだけが、この情勢を一変させる唯一の選択肢だ。「米日による中国侵略戦争阻止」「石破新政権打倒」を叫ぶ大反戦デモに参加し、ともに声を上げよう。私たち労働者・学生自身の手に政治を取り戻そう。私たちの投票所は日比谷だ!その力で政府を直接揺り動かし、打倒する巨大な反戦デモを実現しよう!


憲法改正も就任前から掲げている。自民党総裁選は全員が「改憲」を掲げて出馬し、「誰が一番戦争をうまく遂行できるか」を競い合う場になった。
  • 石破政権は戦争突撃内閣だ

 そもそもいま行われている総選挙の本質は何なのか。岸田から石破へと体制を移行し、党を「刷新」したイメージが残るうちに選挙を行って勝利し、体制を盤石にしてしまおうというのが自民党の狙いだ。こんな身勝手な総選挙を許すことはできない。

 しかも総選挙は、戦争に突入する体制を盤石にするためにおこなわれる。石破新政権は、今年4 月の日米首脳会談、7月の日米2 プラス2 会談で確認された、日米統合司令部の設置、核抑止・拡大抑止の路線を岸田よりも強硬につきすすもうとしている。「アジア版NATO の創設」「核共有」を主張し、戦争反対の声に対しては「デモはテロ」「徴兵拒否は死刑、もしくは懲役300 年」などと叫ぶ石破政権は戦争突撃内閣だ。即刻打倒しよう。


●戦争の原因は米日の衰退・没落

 いま政府やマスコミは中国の「台湾包囲」演習をけたたましく非難し「中国の脅威」を強調しているが、実際には米日の側こそが中国への侵略戦争をねらっている。

 中国が絶対に譲れない「一つの中国(中華人民共和国を唯一正当な政府と認め、台湾を独立国家とは認めない)」の原則を意図的に踏み越え、中国の軍事行動を引き出し、先に手を出させ、中国を打倒する絶好の大義名分にしようとしているのは米日だ。これはウクライナ戦争やガザ大虐殺の正当化にもつかわれた手法だ。

 9 月25 日には海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」がはじめて台湾海峡を通過し、激しい政治的緊張をもたらしている。これは岸田の直接の決断と指示で行われたことが明らかになっている(9 月27 日付朝日新聞の報道)。さらに麻生は台湾を「国」だと公言した(10 月9 日)。日本が意図的に戦争をつくりだそうとしているのだ。

 米日の政治・経済が長期にわたって行き詰まり、もう戦争でしか延命できない状態になったことが戦争の原因だ。とりわけ2008 年の大恐慌・リーマンショックから立ち直れず、2020 年以来のコロナ禍が決定打となった。「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と称されるアメリカ産業の没落。「失われた30 年」と呼ばれる日本社会の衰退・没落と政治腐敗。いま米日は、こうした状態からの起死回生をかけて中国との戦争を狙っているのだ。

 資本主義経済の歴史的な没落。とりわけ、戦争を欲する米日の一部の資本家階級、政治家が戦争の原因だ。私たちは、生活苦で殺されることも、戦争で殺し合いを強制されることも拒否する。石破政権であり、資本主義社会そのものを転覆する闘いにともに立ち上がろう。


●「キーン・ソード25」で戦争寸前に

 米日の侵略性は、今月23 日から開始される大軍事演習「キーン・ソード25」に鮮明にあらわれている。軍事訓練としては初めて中国を「敵国」と名指ししたことの意味は大きい。中国の体制転覆を実際におこなえるようにするための大軍事演習なのだ。実働部隊で自衛隊3 万3 千人、米軍1 万2 千人、輸送などで関連して動く自衛隊の部隊を合わせればのべ13万人にのぼる。これは中国が14日に行った「台湾包囲」演習など比較にならない規模だ。さらにNATO 加盟国やオーストラリア、インドなどアジア諸国をオブザーバー参加させて中国を全面的に包囲。すさまじい重圧をかける。あわせて、中国本土を直接攻撃可能な射程1000 キロを超える地対艦ミサイルの開発(現行の数倍の射程距離)を前倒しですすめている。

 アメリカと中国は決して「対等」ではない。そもそも、世界2 ~ 8位(もちろん中国も含む)の国の軍事費を合わせても届かない軍事力をもっているのがアメリカだ。さらにNATO や日米安保など、世界中に有力な軍事同盟を構築している。アメリカやアメリカと統合司令部を構築している日本をどうやって中国が「攻める」というのか。メディアでは「中国の脅威」などと盛んに言われているが、よく聞くとアメリカや日本本土が直接攻撃される可能性など問題にもなっていない。実際にはそれほど力の開きがあるのだ。

今年の夏におこなわれた、対中国侵略作戦であるEABO(これ自体がとんでもない)を主軸とする「レゾリュート・ドラゴン24」でさえ動員数は約1万だった。戦争準備が急速に進んでいる。

 さらに重大なのは、日本が積極的な戦争主体になるということだ。アメリカは日本が「要中の要」(2023 年米軍事シンクタンク、CSISレポート)だと繰り返し強調し、日本政府も戦争に一切をかけている。演習に参加する数から言っても、主力はまぎれもなく自衛隊である。そもそもこの訓練は民間空港や港湾、山間部など日本全土を舞台にした訓練である。これは、開戦すれば日本全土が戦争の直接の舞台になることを意味する。日本から反戦闘争をまきおこし、政府を打倒することが戦争阻止に直結する。「米日の中国侵略戦争阻止」をスローガンに、破滅的な世界戦争を阻止するための反戦闘争に総決起しよう!


●社会を変える力がここにある

 中国侵略戦争の準備進行可能にしているのは、野党の総屈服状態である。すべての既成野党は戦争問題を真正面から扱わず、石破政権に屈服している。総選挙に労働者・学生の選択肢はないと、今こそ声を大にして叫ぼう。今最も問題なのは裏金などではない。戦争の問題だ。

 11・3集会こそが労働者階級の回答であり唯一の選択肢だ。11月3 日の日比谷野外音楽堂で開催される全国労働者総決起集会への6000 人結集を実現し、首都東京に内乱をつくりだそう。その力で石破を打倒し、米日による中国侵略戦争を阻止しよう!