全学連 吉田耕くん
京都拘置所からHAPPY NEW YEAR! 年が明けましたね。みなさんは、いかがお過ごしでしょうか。今回の逮捕において、私たちの釈放に向けて動いてくれているみなさん、そして「こんな逮捕はおかしい」と感じてくれているみなさんへ。勾留理由開示公判に来てくれたり、差し入れをくれたり、その他いろいろ……そういう、ひとつひとつに励まされています。どうもありがとうございます。
「大学でビラをまいたこと」を建造物侵入だとして、京都大学当局は私を含めた3人の学生を逮捕させています。「大学でビラをまいたら逮捕!?」と、驚く方も多いのではないでしょうか。しかし、これが京大、そして日本の大学で起きている現実です。
2004年の”国立大学法人化”以降、日本の大学は大きく変化してきました。大企業や財閥の役員が構成員の過半数を占める経営協議会が、大学の教授たちから成る教授会よりも大きな力を持ち、大学運営を行うようになりました。国から大学への補助金は毎年減らされ(学費高騰の原因にもなっている)、反対に、政府や大企業の意向に添った大学の動きや研究にはお金がまわるようになっています。
こうした中で、大学は国策遂行と大企業の役員等、ひとにぎりの人間による利益追求、金もうけのための機関になっています。スムーズな国策遂行と金もうけを行うにあたり、学内の抵抗の芽…自治を一掃するべく、京大はこの間、様々な「弾圧」に着手しています。
学生と大学が交渉し、話し合う場だった情報公開連絡会や団体交渉の打ち切り。自治寮の廃寮策動。立て看板規制やビラ回収などの表現規制。そして、こうした大学の動きに抗議する学生への職員による暴行、大学当局による呼び出しや停学・退学処分の乱発。そして、今回のような逆らう人間への逮捕。
しかし、こうした激しい弾圧の裏には、学生達の力に対する大学当局の恐怖があります。キャンパスから学生達が立ち上がった時の力強さを彼らはよくわかっているのです。京大生も、市民も、この目の前で繰り広げられる不条理に違和感を持ち、考え、行動を始めています。
戦後の学生自治は、第二次大戦での大学の国策追従、積極的な軍事協力と、その結果起こった悲劇への反省からつくられ、発展してきました。大学の中で、目の前のことについて、社会について、そして自分の生き方について……日々議論がされ、ある時は実際に行動して未来を切り開いていく。そういう人々の営みです。国策に追従し、大企業の利益・金儲けを優先させ、自治破壊、反戦運動潰しを進める大学の問題は、改憲と戦争、非正規職拡大などの一部の人間の金儲けのために労働者が切り捨てられる、この社会そのものの不条理をも問う問題です。京大周辺では、数ある目の前の不条理に多様な人々が声をあげていますが、キャンパスでのあらゆる不条理は、突き詰めていけばこの社会を根本から問うモノになります。あらゆる人々と結びつき、議論し、よりラディカルに発展していく豊かな運動を、今回の逮捕も糧にしてつくることが、京大当局の弾圧への一番の反撃です。
反撃って良いものです。右のほほをぶたれたら、みぞおちに強烈なのを喰らわせてやりましょう。弾圧で1人逮捕されたら100人と結びつきましょう。どんどん広がり、深まる、わくわくする運動をつくりましょう。
その第一歩として、まずは同時期に逮捕されたカルロス・ゴーンより先に出たいですね。団結してがんばろう。うし。