7月4日、千葉地裁民事第4部・藤山雅行裁判長は、6月9日に、成田空港会社から出されていた「天神峰現地闘争本部建物等の収去命令申し立て」に対して、「収去命令」の決定を行い、反対同盟に送達してきた。
われわれは5・20東京高裁判決に輪をかけた反動決定を断じて許すことはできない。徹底的に弾劾するとともに、全国・全人民に現闘本部死守決戦への戦闘宣言を発する。反対同盟は体を張り現闘本部防衛の先頭に立つとともに、全国・全人民にこの決戦への決起を訴える。
まず何よりも藤山決定そのものが権力・司法機関の危機を露呈している。同決定は「(成田治安法による)封鎖処分は建物の取り壊しをも禁止しているものではない」などと荒唐無稽な虚言を吐いて、現闘本部建物の撤去と治安法による封鎖処分という、あいいれない絶対的矛盾を居直っている。
しかも、鉄骨造り建物の中には登記された木造建物が存在しており、この建物が「取り壊しの対象から抜け落ちている」という破たん点について、「判決のあいまいさ」を自認しながら逆に、「仮に木造建物が存在すればそれも取り壊し対象に含める」と、藤山決定は権限を逸脱して高裁判決を勝手に拡張したのだ。こうまでしなければ「現闘本部収去命令」の決定すら出せないという司法権力の危機の表現であり、デタラメな法的根拠をもってしか「へ」の字誘導路の解消すらできない国土交通省、成田空港会社の末路を示している。
天神峰現闘本部は三里塚45年の歴史と一体のわれわれの魂である。ここを訪れた労働者・農民・学生・市民の数は数十万人に達するであろう。これらすべての人々の思いの詰まった、三里塚闘争にとって特別な存在だ。だから1990年の成田治安法決戦でわれわれは、当時の運輸省・空港公団を圧倒し除去(撤去)処分を粉砕した。そして今、あの決戦以上の決意で、死守の闘いに立ち上がる。この中で十重二十重の分厚い支援陣形を発展させたい。
この歴史的決戦を、震災―原発事故という、数千万人民が怒りを沸騰させる情勢下で、さらに沖縄の人々が基地への怒りを噴出させる中で迎えている。「国策」と45年間闘ってきた三里塚が、その真価を発揮できることに武者ぶるいを禁じ得ない。「フクシマの怒り」と「ナリタの怒り」はひとつだ。そして、国家と資本の利益を最優先にし、労働者、農民を虫けらのごとく扱う今の社会のあり方に対して、これを根本から覆す労働者・農民の闘いへの号砲としよう。
現闘本部情勢はいつ強制撤去に来てもおかしくない完全な決戦に入った。「強制執行」という一報が入り次第、全国から三里塚現地に馳せ参じてほしい。この決戦の中で共に巨大な勝利への展望を切り開こうではないか。以上、戦闘宣言とする。
7月6日 三里塚芝山連合空港反対同盟