全学連・織田陽介委員長の3・20集会基調提起

僕は今日の集会にあたり、一つの決意をしてこの場に参加しています。それは、青年・学生の運動をこの中からつくりあげ、私自身そしてこの場の全員の飛躍をかけてこの大地震に真っ向から立ち向かうということです。

【1】3・20集会開催に至る経緯
私たちは今回、3月20日ということでイラク開戦から8年の反戦デモを呼びかけ、結集運動を始めました。去年の11月23日に朝鮮半島で砲撃戦があり、米韓日が一気に軍事体制を構築する動きが始まり、私たちは絶対にこの帝国主義の侵略戦争を止めなければならないという思いでこの集会を呼びかけ始めました。
そして1月、事態はものすごい勢いで急変し、チェニジア・エジプトから一気に革命の炎が巻き起こり闘いが進みました。私たちは大恐慌の中で、ついに世界の労働者・学生・農民・市民が怒りを持って立ち上がり社会を根本から変える時が来たと考え、何よりも日本の労働者とりわけ青年労働者・学生が、この社会を変えたいという思いの中にいることをつかみ、「エジプト革命に続こう!」という横断幕をつくりました。そしてこの集会の10日前に大地震が起きたということです。
この大地震の後に何が起きたか? 僕たちはただちに物資を持って仙台に駆けつけました。そこにあった現実は、菅政権が本当に何もやっていないということなんです。それどころか高速道路を封鎖し、私たちが行くことそのものを阻止している。それで僕らは、「政治休戦」だとか「デモをやるな」などという状況の中に置かれ、だけどこの状況を私たちはぶち破って、もう一度この集会をやるんだと決意して今日この場に集まったということです。

【2】「大地震に真正面から立ち向かう」とは、何と闘うことか
みなさん! 大地震の現実に真っ正面から立ち向かうということは、何と闘うということでしょうか? 今、「史上最大の地震が起きて仕方がなかった」とか、もしくは「原発に水をまいてもまいても止まらない」とか、何か人間の力では解決しないもの凄いことが起きてるような宣伝の中にいます。しかし、本当にそうなんでしょうか? 私たちの力で解決できないことが起きてるんでしょうか? 僕は「違う!」と真正面から言いたい。原発をつくったのは地震じゃないことはハッキリしている。あんな滅茶苦茶なものが僕らの社会にあったってことが明らかになった。これだけです。僕らが住んでいた社会が、どれだけ無茶苦茶だったってことが明らかになった。
私たちはそういう意味で、今の原発の事態をつくったのは自民党政権と菅政権だということ、私たちの闘いでこんな社会を変えることは可能だということをハッキリさせようじゃないですか! 地震でなくなった方よりも津波で犠牲になった方が圧倒的に多い。「99%の確率で起きる」と言われていた地震に対し、たった3?の堤防しかつくらないで地方を徹底的に切り捨ててきた現実で、2万人とも言われる死者・行方不明者がいます。
僕は東北大出身で、僕が住んでいた有朋寮は「宮城県沖地震が来るから危ない」とさんざん宣伝され、最後は機動隊を導入されて暴力的に潰されました。寮を潰すために地震を大宣伝して、いざ地震が来たらその大学教授たちは堤防の一つもつくってないじゃないですか! この現実が暴露されただけなんです。どれだけ地方の労働者、お年寄り、農民を殺してきたのかということがこの地震でハッキリした。
いま私たちがやるべきことは、悲しむことではなく怒ることです。何より最大の問題は、この地震において、新自由主義攻撃の中で労働者・学生の団結が破壊されてきた現実が明らかになったことです。イギリスのサッチャーが「あらゆる社会的連帯を断ち切る」として始めた新自由主義が、何をもたらしたのか? このことが明らかになったんです。
今日は、東北大学日就寮の仲間がここに駆けつけてくれています。日就寮の闘いが愛媛新聞(3月18日付)に載りました。すごいです。受験生親子を迎え入れ、大震災の中で助け合って生活し、寮生で協力をしてたくましく生きぬいているあの姿を見てください。
他方で、本当に団結しなければ生きることも出来ない状況に被災地を中心に置かれています。在宅介護においやられ、孤独のまま老人が殺されています。外注化・非正規職化でトコトンまで労働者・学生の団結を奪い尽くしてきた結果が、今の現実です。
この被災地の中から、生きるために隣の仲間と手を取り合って団結し、生き抜く闘いが始まっています。新自由主義に奪われ尽くされてきた団結を取り戻す根底的な闘いが、被災地から始まってます。この闘いの中にこそ希望がある、どれだけ苦しく絶望に追いやられても、労働組合と学生自治会を甦らせ、団結を甦らせることに唯一の希望があると確信します。
そして、もう一つはっきりした現実は、戦争です。労働者・学生の団結が破壊されて何を強制されるのか。それが原発問題の核心です。原爆というすさまじい殺戮兵器の原動力を、「平和利用」などとして原発に使ってきたわけです。核心は、日本が再び核武装する政策を続けて、ついに日本の労働者の真上に原爆を落とした、そういうことじゃないでしょうか。
他方で、今朝リビアにフランスが空爆を始めたという報道がされています。しかもフランスに負けじと、アメリカがもうトマホーク・ミサイルを110発撃ちこんだとも報じられています。あたかもリビアの労働者人民の闘いを守るためのように宣伝されていますが、崩壊した石油支配-中東支配をフランスがとるのかイギリスがとるのかそれともアメリカがとるのか、こういう戦争じゃないですか。リビアの労働者たちは既に石油を自分たちで生産し、輸出も始めていました。こういう闘いをつぶすために戦争が始まったということです。この戦争に爆撃機が飛び立つのは、他でもなく日本であり沖縄です。これから日米安保と労働者の戦争動員の問題が、ますます差し迫る問題になってきます。メアという元〔米国務省〕日本部長が沖縄基地問題に関して「反戦闘争はゆすりなんだ」と発言しました。にもかかわらず今、この地震を契機に沖縄ではメア弾劾の声もなくなったと言われています。「地震だから闘うな」「挙国一致だ」、その先には沖縄に基地ができるということじゃないですか。われわれが戦争に動員されるということじゃないですか。だから私たちは、原発即時停止の闘いと沖縄の闘いは一つだ、反戦闘争と一体だと確認したい。

【3】これから「日本発の大恐慌」が始まろうとしている
これから日本発の本格的な大恐慌が始まります。既に日本の株価は暴落し、たった5日間で日銀が投入した資金は82兆円です。どこにカネ使ってんだという話です。アメリカをはじめあらゆる帝国主義は、この恐慌を止めるために何兆何十兆というカネをこれから投入する。国家が破産しないために公務員がクビを切られる、増税される、こうなっていくわけです。本格的な世界大恐慌が始まる中で、私たちがこれに真正面から対決しなければならない。大震災を口実にして解雇するな! 地震を理由にしたら増税はOKなのか! ふざけるな! 支配者の言う「大震災」とは、大恐慌のことです。菅政権がやっているのは救援なんかじゃ断じてない、むしろ、攻撃であり階級戦争だ。こんなやつらをぶっ飛ばさなければ仲間は守れない。これからこの現実が日本中に拡大しようとしています。すでに首都圏を中心に、派遣労働者が千万の単位で次々に雇い止めにあっています。「震災」だから違法じゃない、震災だからしょうがない、と。この拡大している大震災の現実、東北の現実を自分の問題として受けとめ、団結して立ち向かおう。非正規の労働者を守り抜こう。必要なのは「政治休戦」ではなく闘いです。世界から、日本の闘いが注目されています。ドイツでは原発反対の11万人のデモが行われドイツの原発政策が破綻に追い込まれました。リビアで闘う労働者たちが「日本の労働者頑張れ」とアピールを発しているそうです。世界は一つです。リビアでは空爆、日本では大地震、これを口実に労働者の闘いがつぶされようとしている。この世界的な反動を、世界の労働者と一つになって私はぶち破りたい。

【4】原発事故に象徴される「破局」にどういう立場をとるべきか
この原発に象徴される破局的事態に私たちはどういう立場をとるべきか? 原発事故は、ある意味でもう後戻りのきかない無茶苦茶なところまで来てしまいました。これが、長い長い自民党政治、そして民主党政治のなれの果ての姿です。もうこんな奴らに政治を任しておくことなんてできない! 経団連・米倉会長の発言を聞きましたか? 「日本の原発はすばらしい、津波に耐えた」、どこが耐えたんだ!
もうあいつらは、自分たちがやっていることがどういうことなのか見据えることすらできない。青年・学生にこの社会をよこせと言わなければならない。彼らがこれだけ破綻させ、これだけめちゃくちゃに破壊した社会であろうとも、私たち若い世代には未来があるからすべてを引き受けて、すべてつくりなおしてみせる。それが私たちの決意でなければなりません。
今、大学のキャンパスが封鎖されています。法政も上智も全部封鎖です。若い人が集まれば、必ず闘いが始まる。ボランティアも含めて震災の現場に行ってしまう。これをつぶすために、キャンパスが封鎖されています。
若者の力を私たちは見せなければならない。今日から始める大救援運動は、若者が先頭に立って自分たちの手で根本的に社会を創り変えていく運動にしなければならない。僕たちができることは当たり前のことだけです。社会に渦巻く怒りと結びつくことだけです。労働組合をつくり、学生自治会をつくることだけです。ここを、私たちの軸に据えて闘い抜きましょう。

【5】行動方針を鮮明にさせ、ただちに闘いを開始しよう!
最後に方針です。一つは、この救援運動を全力で立ちあげ、ただちに東北・北関東の闘う労働者や学生とともに、私たち自身がたたかいに立ち上がることです。原発労働者も東電の労働者もすべて私たちのもとに獲得し、この社会を根本から変えていく事です。二つは、「原発の停止」を真正面から掲げ、反戦闘争に立ち上がることです。東電への大抗議闘争も含めて、私たちが先頭に立って闘いましょう。三つに、青年労働者は労働運動を甦らせよう。非正規職の派遣切りを絶対に許さず、国鉄闘争全国運動を全国の労働者に訴えよう。日就寮のように新自由主義と真正面から対決してきた運動が、もう一つ日本には国鉄運動としてあります。ここに日本の労働者の希望と展望を見て、私たちはここにかけたい。最後に、学生は大学をとり戻さなければならない。原発のあの爆発を前に嘘をつき続ける大学教授は一体何なのか。あんな奴らが大学や学問を語っていること自体が許せない。いま大学が腐敗の極みだ、学生が根本から大学をつくりかえる以外に道はない。その最先頭で法大闘争を爆発させたい。今日から本気になって運動をつくりだそう。自分たちの意図を隠さずに真正面から訴えることです。「こんな社会は許せないんだ」「こんな社会は根本から変えたいんだ」と真正面から訴える。同時に、本当にあらゆる人に結集して欲しいということを本気になって訴える。意見が違うからではなく、本当に一つでも二つでも意見が一致しているところを探し出し、壮大な運動をつくる。私たちはそういう運動をやりたいんだと、今日初めて参加していただいた方にも訴えたい。
今日デモに行ったからまぁいいかという感じではなく、一つでも一致点があれば、なくても見つけ出し、ここにいる人たちが増えていく、二倍三倍になっていく、そういう運動を僕たちはやらなければならない。この社会を根本から変えたい、この本気さで勝負する以外にありません。今日から、私たちの飛躍をかけた闘いを開始しましょう。私はその最先頭で闘います。ともに闘いましょう!!

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