今回より、全学連の三里塚での援農活動の感想をシリーズとして展開していきたいと思います。
第一回は全学連委員長・織田陽介よりお伝えします。
『三里塚反対同盟の怒りを実感 人生をかける気になれる闘い』
全学連委員長 織田陽介
農業になれていない学生が援農に入り、どれだけの力になったかはおいておくとして、援農に入って初めて三里塚闘争とはどんな闘いかを実感する。デモの意味が浮かび上がってくる。
今回は萩原進さんの家におじゃまし、最初に東峰の森で肥料にする落ち葉を集めた。第2誘導路建設の際に伐採された東峰の森がどういう生活の場なのか。ひとつの作業をするたびに過去のデモの意味を確認し、怒りがわいてくる。
農業とは資本主義の矛盾が集中する産業であることも、あらためて実感したひとつの家族が大きな機械や機材を所有し維持しなければならない。農家が赤字を背負って初めて農業が成り立っている。「大企業が農業なんてできるわけがない」と進さんが語った意味はよく分かるこれだけ必死に農業を支えてきて、農業の破壊や「強い農業」=企業化を語られ納得できるわけがない。
何より、これだけ大切につくっている農地を強奪するなど絶対に許せない。農地死守・実力闘争という言葉に込められた怒りの大きさをあらためて実感し獲得できるのが援農だと思う。
法律や機動隊を持った国家権力が、土地を奪うことができない。ここまで成田空港を破綻させてきた農民の激しい怒りがここにある。農業への誇り、戦争を止め、新しい社会を建設する動力がここにある。
三里塚闘争は気持ちのいい闘いだ。その歴史は一筋縄ではいかない大変なものだったが、国家権力と絶対反対で激突し、正義を貫いてきた。誰もがここで闘い、生きる意味を感じ、人生をかける気になれる闘いだ。闘う者同士、立ち向かっている課題も苦闘もすべて理解できる。学生運動の復権の道は三里塚闘争を真正面から闘うことにあると確信します。