学生には無限の可能性がある 新自由主義と闘う学生運動を
全国の学生のみなさん! 私たち全学連は9月9日?10日、第71回定期全国大会を開催します。新自由主義は大恐慌へと行きつき、一方において大失業 を、他方において戦争という破滅を生みだしています。大学は学生を借金漬けにして放り出すビジネスとなり、学生の主体性を奪うものとなり下がっています。 私たち全学連は法大闘争を先頭に、こうした現実に対して団結して立ち向かってきました。そして学生こそ未来の体現者であり、無限の可能性をもっていること をつかみ取ってきました。学生の未来、大学の未来、社会の未来をめぐって学生自身が討論し、行動に立ち上がる――学生運動の復権こそが求められています。 全学連大会に仲間を連れて大結集してほしい。
法政大の不当処分撤回へ
学生の無限の可能性を示す闘いは第一に、法大不当処分撤回の闘いです。
7月12日をもって、新たな処分が下された。学祭規制反対の闘いの先頭に立ってきた洞口朋子さん(経済学部2年)への「無期停学処分」です。「無期」! つまり「反省するまで」の処分です。学祭規制に従うまでの処分! 「学生は声をあげるな、黙って従え」ということだ。
しかも処分理由にされている「授業妨害」について、当該のクラスからの「妨害などなかった」というクラス決議は一切無視だ。あげく呼び出しの際には、聞かれてもいない「4・23法大包囲デモ」が処分理由として付け加わった。もはや「処分ありき」「理由がなければ探せ、つくれ」という処分だ。これが教育か! これほどまでに学生の意思がないがしろにされていいのか。
私たちは立て看板やビラまきの規制と処分、学費や奨学金、就活の問題、学祭規制の問題など、学生の権利を奪う一切の攻撃に対して「絶対反対」の闘いをしてきました。もちろんそれはその裏で教育を語って学生をエジキにし金もうけをする大学当局や資本がどうしても許せないからです。そして何より、これは大学の主人公は誰なのかをめぐる根本的な問題であったからです。歴史とは若者が古い価値観や世代を乗り越えて進む創造的なものであるなら、学生にとって大学は自由でなければならない。大学の主人公は学生でなければならない! 大学が、教育が未来のためのものならば!
闘いを組織しない学生団体執行部は口をそろえて言う。「学生はそんなことに関心はない」「学生の自治意識が低下しているから勝てない」と。しかし当局の攻撃が「学生は黙って従え」という主体性を奪うものである以上、これと対決せずに学生の主体的なエネルギーが回復するはずがない。法大では闘わない執行部との対決の中で、1年生が生き生きと行動を開始した。絶対反対の闘いの中でのみ、学生は大学の主人公になっていく力を回復する。不当処分撤回闘争は、当局の御用団体になった執行部を打倒して学生自身の指導部を生みだし、大学の主人公である学生の力を回復し、大学を私物化する資本・当局から大学を奪い返す闘いなのです。
「学生運動に自由を!」(首都圏A大学)、「大学は学生のもの。学生が中心的存在となり、新たなものを創造する場! 学生の団結を守れ!」(首都圏B大学)。法大署名は他大学でも拡大している。大学の違いをこえて仲間のために声をあげ、自分の大学のあり方を問う運動となっている。ここに学生の団結を回復し、学生運動を復権する力がある。署名運動の拡大を水路にして、全学連大会の大結集へ!
世界の学生と連帯しよう
学生の無限の可能性を示す闘いは第二に、国際連帯の闘いです。
全学連は3月にアメリカ、6月にブラジルを訪れ、大きな国際連帯の成果を生み出しました。海を渡って見えてきたものは、日本の私たちと同じ、「教育の民営化」の現実でした。学費の高騰、学食や寮の民営化、奨学金という名の借金と就職難、政治活動の禁止と処分……。世界の学生がまったく同じ「教育の民営化」の現実に立ち向かっている。同じスローガンでつながっている。
資本主義が終わりを告げ、根本から社会を変える時代が来たこと、そして学生が行動に立ち上がることには圧倒的な正義があることの意味を込めて、私たちは「教育の民営化反対」のスローガンを確立しました。
教育は商品となり、学生は学費を払えず、奨学金という形で未来の賃金を奪われ、職もなく放り出される。学生は商品として扱われ、仲間をつくるどころか競争させられる。人間が豊かになるための教育を受ければ受けるほど貧しくなる現実。未来をつくる主体であるはずの学生が未来を奪われている。未来を食いつぶしてしか維持されない社会にはいかなる未来もありえない。学生がここまでないがしろにされている現実に対して怒り、立ち上がることには、未来のかかった圧倒的な正義性がある。もはや資本主義社会は未来を語ることができない。学生は商品として扱われることを打ち破って未来の体現者として行動するときが来た。「教育の民営化反対」はこういう意味を込めたスローガンです。
3月にアメリカで見たものは「教育の民営化反対」を掲げた100万人の大行動でした。カリフォルニア州立大学バークレー校のストライキ、大デモを中心に、アメリカ中の学生・労働者が立ち上がった。世界の資本主義の中心であるアメリカが崩壊を開始し、未来の体現者たちの行動が歴史の前面に登場した。ヨーロッパ、アメリカ、南米……世界中の学生が、今この「教育の民営化反対」を叫んでいる。このことの意味は、世界の学生が“ひとつの軍勢”となって世界を変革する時が来たことを示しています。学生は世界を変革する力を持っている。
ブラジル訪問では、12月にアメリカ、日本、ブラジル、コスタリカ、アルゼンチンの学生の統一行動を行うことが決まりました。
反戦と沖縄闘争の先頭に
学生の無限の可能性を示す闘いは第三に、反戦政治闘争です。
韓国の哨戒艦沈没事件をめぐって朝鮮半島が戦争の危機を迎えている。まず、はっきりさせなければならないことは、始まろうとしているのは米日帝国主義が圧倒的な軍事力をもって朝鮮半島を侵略する帝国主義戦争だという点です。すでに日米韓軍の作戦計画「5027」や「5030」という形で、米軍の先制攻撃、もしくは軍事演習から挑発をして一気に戦争に突入していく計画がつくられている。シミュレーションによれば朝鮮半島全体が戦場となり、100万人が虐殺されるという。
現在行われている戦争は、北朝鮮やイラン、中国の軍事動向にその本質があるのではなく、帝国主義の強盗戦争だ。1929年の世界大恐慌は、各国帝国主義同士が市場や資源を奪い合う世界戦争へと行きついた。オバマの「輸出2倍化」宣言を見ても分かるように、資本のどん欲な欲望が、再び市場や資源をめぐる争奪戦を激化させている。早い話が、学生の未来に群がるハイエナのような資本家連中のための戦争でしかないのだ。
朝鮮侵略戦争では、日本列島が50万人の米軍の出撃基地となる。空港・港湾、病院から大学に至るまで、すべてが軍隊優先で動き、戦争動員される。逆に言えば、学生や労働者がいかなる態度や行動を取るのかで戦争を止めることはできる。成田軍事空港の建設を44年間も阻んでいる三里塚闘争がそのことを示している。
基地撤去を掲げた沖縄の怒りはますます高まっている。鳩山政権を打倒し、参院選では民主党は沖縄で一人の候補も立てられなかった。11月の横浜APEC(アジア太平洋経済協力会議)でのオバマ訪日を焦点に、9月名護市議選、11月沖縄県知事選などでますます沖縄の怒りが爆発していく。日米帝国主義の世界政策が、日本のたった1%の人口しかない沖縄の労働者・学生の怒りでグラグラに揺さぶられている。残り99%の本土の労働者・学生がいかなる行動をするのかで歴史は決せられる。
闘う労働運動と共に進もう
学生の無限の可能性を示す闘いは第四に、闘う労働運動を復権させる闘いとの連帯です。
昨年8・30総選挙で打倒された自民党政権にとって代わったのは、連合という労働組合を抱え込まなければ成り立たない民主党政権だった。体制内の労働運動が資本家階級の政権に入ってこれを支え、増税や基地建設を叫ぶまでに成り下がった。なぜ労働運動はここまで落ちたのか――いま労働者階級が根底的に戦後労働運動を総括する過程に入った。
連合からの労働者の離反はますます進み、民主党は参院選で惨敗した。新しい労働運動が生まれようとしている。新自由主義の突破口となった国鉄分割・民営化攻撃に対してストライキで立ち向かい、今も意気軒高と闘い抜いている動労千葉の呼びかけで始まった新たな国鉄全国運動が、6千万労働者を組織する壮大な挑戦を開始した。
学生はこの闘いと共闘してこそ世界を変革することができる。とりわけ、労働運動の新潮流を11月労働者集会に1万人の規模で登場させられるかどうかが、歴史の焦点だ。
学生自治会を建設しよう
全学連はこうした闘いを通して、学生の無限の可能性をつかみとってきました。これでもわれわれ学生は、資本家の言うような、売れ残っても「商品価値の低い学生の自己責任」とされる商品でしかないだろうか。大学の理事会や古びた「教授」たちがのたまう「施設管理権」なる文句の前に「黙って従う」しかない存在だろうか。
ある大学は、法大署名が三けたを超えて集まっていることに焦り、学生が署名をやることへ「熟慮せよ」と呼びかけ始めた。これこそ「学生は何も考えていないやつらだ」という当局の学生観であり、「熟慮」という言葉とは裏腹に、「考えるな、行動するな」というのが本音なのだ。学生が自ら集まり、未来のために討論し、いかなる行動をすべきかを決定していくことこそがこれに対する根本的な批判だ。それが全学連大会だ。
支配階級の支配の言葉が「昨日と同じことをやれ」ならば、われわれ若者はこれと自由に闘い、怒り、未来を創るために自由に行動する権利がある。学生こそ今勇気をもって立ち上がらなければならない!
今次全学連大会の重要なテーマは、学生自身の団結した組織、学生自治会を建設する挑戦を開始することにある。
それは第一に、これからますます大恐慌が深化するという時代認識だ。
大学こそ大失業の矛盾のるつぼになっている。政府は大学院生を大幅に増加させる政策をとって、この10年足らずの間に大学院生は3倍になった。政府の「ポスドク政策」で就職もできず、大学でただ働きをさせられ、バイトを掛け持ちしなければならない学生を膨大に生み出した。このうち10人に1人が「行方不明」となっている。
「公務員になれる」「弁護士になれる」と幻想をあおって学費をむしり取ってきた大学は、その幻想が壊れれば今度は「教員養成大学院の定員6倍化」だ。本当にふざけきっている。
そして「就職難民11万人」の現実だ。7人に1人が就職できずに留年している。大学資本は「就職に有利な学生の身分を半分の学費で買える」とばかりに留年をエジキにしてさらにボロもうけしている。学生の失業すらビジネスチャンスと見る腐った大学のあり方は、学生の怒りで燃やし尽くさなければならない!
大恐慌の現実に立ち向かう学生の団結をつくり出そう。学生自身の自主的自治組織が必要だ。
第二に、大学のあり方をめぐる闘いは、必然的に大学の支配権を理事会・国家権力が握るのか、それとも学生が握るのかの権力闘争にならざるをえない。そのためには組織が必要だ。
法大を最先頭に学生が行動にドンドン立ち上がる時代が来ている。こうした大衆行動を学生の団結した組織に転じよう。その武器は処分撤回署名運動だ。この運動の中には無限の可能性がある。
第三に、何よりも学生の武器は団結以外にない。資本主義を打倒する共産主義革命は、今までの革命のような新たな階級支配を打ち立てる性格のものではなく、人間による人間の支配そのものを廃止していくものだ。その原動力は他人を蹴落とすことではなく、団結して共同性を取り戻していくことであり、だからこそ根底的変革たりえるのだ。
学生・労働者の団結を組織できる者こそ、もっともラジカルな指導者であり、人格的に資本・国家権力を圧倒する指導者だ。全学連執行部は、300万学生の団結を組織する壮大な挑戦の先頭に立つ。
すべての学生のみなさん! 歴史的な今、歴史的な大会をやろう。それは学生自身の大結集の力でこそつくり出せる。自分自身が多くの仲間を組織し集まろう。