ブラジル闘争特集ーその? コンルータスとは?

革命的共産主義者同盟の月刊誌「国際労働運動」2010年2月号より

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コンルータスは、2003年、ルラ政権発足後、ルラ支持のCUT(中央統一労組)指導部との闘いの中で、CUTのおよそ3分の1の役員たちを結集して設立された。
 公然たるCUTからの分離組織の組織化は、03年のルラ政権の年金改悪に対する公務員労組の40日間ストライキの組織化の時からだ。このストを統一的に指導する必要性から、コンルータスが生まれた。


 78?79年のABC地域の大ストライキをルラらとともに闘った労働者が軸になっている。
 こうしたコンルータス設立の中心になった労組活動家たちも、批判を持ちながらも実際にはルラのPTの中で80年のPT結成以来、PT党員となり、またCUTの役員となってそれを支持してきたのだ。前章で述べたように80年代にPTの資本への屈服転向過程が急速に進んだのだ。CUTも同様の屈服・腐敗が進んだ。これは、自分たちの目の前で起きたことだ。だが、PT、CUTへの「批判的支持」のスタンスを変えられなかった。
 そして、ずっとルラとともにPTに加入し、そしてともにCUTを結成して活動してきた。その中で、PTとCUTの変質と腐敗への批判をもってきたが、それでもPTへの加入を続け、ようやく92年、ルラ指導部の当時のコロル政権との癒着を批判して除名された時、公然と決別を開始できたのだ。
 だが、それはあくまでも開始であって、その後も、「批判的支持」のスタンスから完全に脱却するのはたいへんだった。
 こうしたあり方を真剣に再検討し、そこから決別することは、たいへんな苦闘をともなった。また、PT主流派、CUT主流派だけでなく、他のPT内・CUT内「左派」諸潮流からも、公然たるPT、CUTとの対決に対する反発を受けたが、それと対決することも容易ではなかった。
 そして今もさまざまに形を変えて、そうした苦闘は続いている。第四インターナショナル諸潮流の「加入戦術」の思想が活動家たちをいかに強くしばってきたかを物語っている。
 しかし、肝心なことは、労働者が労働者であるかぎり、あらゆる困難を乗り越えて労働者としての団結をつくり出し、闘いに決起していく実例を示していることだ。
 自分たち自身がPT、CUTに加入して、「批判的」ではあれ支持してきてしまったことからの脱却の苦闘を経験し、そしてPT、CUTやその中の体制内「左派」との対決の困難を味わっているからこそ、動労千葉の闘いの真価が一瞬にして理解できたといえる。
 そこで、コンルータスの具体的な闘いの姿を見てみよう。
(写真 コンルータスの水道局民営化反対デモ【06年4月19日 ゴイーア州】)

 コンルータスの概要

 中心になったのは、ABC地域で78?79年の大ストライキを組織した労組活動家たちだ。公務員、金属労組、建設労組が当初の主な基盤である。
 また、コンルータスには、労働組合だけでなく、他の労働組合内の反対派フラクも加入している。また、学生運動組織、住民組織、女性解放運動の組織などもコンルータスの構成組織になっている。
 04年3月のコンルータス全国集会には、180の労組・諸組織から1800人の代表が参加した。06年5月のコンルータス第1回全国労働者階級大会は、180万人を代表する2700人の代議員が参加した。
 08年7月のコンルータス第1回大会には、305の労組や労組内左派グループ、108大学学部の学生組織などから、2814人の代議員が参加した。

 GM労働者のPT、CUTとの決別と世界恐慌下の大ストライキ

 とりわけ大きなことは、09年3月、サンパウロ近くのGMのサンジョゼドスカンポス自動車工場で、労働組合をCUTの体制内派幹部から奪い返した闘いの勝利だ。
 大恐慌の本格化とアメリカGM本社の破産法11条申請に向かっていく過程で、戦略的な大工場での戦闘的な反撃が開始されたのだ。
 これは生産の海外移転、工場閉鎖とその恫喝をもってアメリカの労働運動を屈服させ、破壊してきたアメリカ帝国主義の階級支配の根本を揺るがす闘いであり、全世界の労働者階級を圧倒的に激励するものだ。
 GMサンジョゼドスカンポス工場の労働者は、全世界の労働者に次のようにアピールを発している。
(写真 GMサンジョゼドスカンポ工場で、コンルータスが組合選挙に勝利。ルラ支持派、CUTを打倒)

 全世界の自動車組み立て工場での解雇と諸攻撃への闘いの呼びかけ

  「われわれは、国際的な恐慌の進行を目の当たりにしている……。何十億、何千億?もの公的資金が企業に投入される一方、労働者には解雇、社会的権利や賃金の放棄が強いられている。
  こんなことが許せるか! われわれは、この恐慌に責任はない! この恐慌のために金を払うべきなのは、何年にもわたって利潤をかせぎ、ボーナスを取ってきた一握りの者たちでないか。……
  政府と企業は、われわれを相互に対立させようとしている。一つの国の労働者の賃金を示して、他の国の労働者の賃金を下げさせ、また雇用を守ると称した恥ずべき取引を促している。
  残念なことに、全世界のさまざまな労組や労組連盟が、この論理を受け入れている。……断固、ノーと言おう。いかなる解雇にも、いかなる権利と賃金の切り下げにも反対しよう。……
  この状況を変えるため、われわれは、他の労働者、労働組合、工場委員会、活動家に国際会議の実現を訴える。そこでわれわれは、国際的恐慌に対決し、これまで人質にされ取引材料にされてきた雇用・権利・賃金を守る統一的闘いについて討論していこう。
  GMサンジョゼドスカンポス工場の労働者一同
  サンジョゼドスカンポス金属労組
  ブラジル・コンルータス(全国闘争連盟)
  ELAC(ラテンアメリカ・カリブ海諸国労働者連携会議)」 

【ファビオ・ボスコ氏の11月集会の発言〔抜粋〕】

  「資本主義は29年以来最悪の経済恐慌の渦中にあります。労働者に恐慌の責任など一切なく、その代償を払うなど問題外です。
残念ながら、多くの労働組合は企業救済を支持し、譲歩交渉に明け暮れています。
すべての搾取と抑圧を終らせる社会主義社会、この最終ゴールの達成に向かって前進し勝利するためには、闘いを全国的、国際的規模で結合させる必要があります。
資本主義的搾取に終止符を打とう! あらゆる抑圧を粉砕せよ!
帝国主義によるイラク、アフガニスタン、パレスチナ、ハイチの軍事占領を許すな!
企業救済と譲歩に反撃しよう!
労働者階級の闘いの前進を勝ち取ろう!
国際連帯、永遠なれ!
万国の労働者、団結せよ!」
*     *   
大恐慌の中で、巨大資本と闘い、ルラ労働者党政権、体制内労働運動と闘うブラジル労働者と固く連帯して闘おう。
全世界のプロレタリアートの共同の闘い――戦争、民営化・労組破壊との闘いを、職場・学園で組織し、組織し、組織しよう?コンルータスは、2003年、ルラ政権発足後、ルラ支持のCUT(中央統一労組)指導部との闘いの中で、CUTのおよそ3分の1の役員たちを結集して設立された。
 公然たるCUTからの分離組織の組織化は、03年のルラ政権の年金改悪に対する公務員労組の40日間ストライキの組織化の時からだ。このストを統一的に指導する必要性から、コンルータスが生まれた。
 78?79年のABC地域の大ストライキをルラらとともに闘った労働者が軸になっている。
 こうしたコンルータス設立の中心になった労組活動家たちも、批判を持ちながらも実際にはルラのPTの中で80年のPT結成以来、PT党員となり、またCUTの役員となってそれを支持してきたのだ。前章で述べたように80年代にPTの資本への屈服転向過程が急速に進んだのだ。CUTも同様の屈服・腐敗が進んだ。これは、自分たちの目の前で起きたことだ。だが、PT、CUTへの「批判的支持」のスタンスを変えられなかった。
 そして、ずっとルラとともにPTに加入し、そしてともにCUTを結成して活動してきた。その中で、PTとCUTの変質と腐敗への批判をもってきたが、それでもPTへの加入を続け、ようやく92年、ルラ指導部の当時のコロル政権との癒着を批判して除名された時、公然と決別を開始できたのだ。
 だが、それはあくまでも開始であって、その後も、「批判的支持」のスタンスから完全に脱却するのはたいへんだった。
 こうしたあり方を真剣に再検討し、そこから決別することは、たいへんな苦闘をともなった。また、PT主流派、CUT主流派だけでなく、他のPT内・CUT内「左派」諸潮流からも、公然たるPT、CUTとの対決に対する反発を受けたが、それと対決することも容易ではなかった。
 そして今もさまざまに形を変えて、そうした苦闘は続いている。第四インターナショナル諸潮流の「加入戦術」の思想が活動家たちをいかに強くしばってきたかを物語っている。
 しかし、肝心なことは、労働者が労働者であるかぎり、あらゆる困難を乗り越えて労働者としての団結をつくり出し、闘いに決起していく実例を示していることだ。
 自分たち自身がPT、CUTに加入して、「批判的」ではあれ支持してきてしまったことからの脱却の苦闘を経験し、そしてPT、CUTやその中の体制内「左派」との対決の困難を味わっているからこそ、動労千葉の闘いの真価が一瞬にして理解できたといえる。
 そこで、コンルータスの具体的な闘いの姿を見てみよう。
(写真 コンルータスの水道局民営化反対デモ【06年4月19日 ゴイーア州】)

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