※闘う自治寮の寮生有志から、全国寮生に向けて11月集会への総決起を訴えるアピールが発せられました。全文を紹介します。
<全国学寮交流会有志からのアピール>
◆全国学寮は学寮交流会に加盟し、全国学寮の団結を甦らせよう!
◆「教育の民営化」と対決し、大学・教育・未来を学生の手に取り戻そう!
◆自治寮廃寮攻撃粉砕! 教育を受ける権利と学生の生活を守りぬこう!
◆11・1全国労働者集会に全国寮生は集まり、新自由主義攻撃を打ち破ろう!
全国学寮の仲間のみなさん。私たち全国学寮交流会に参加する有志は、大恐慌のもとでの学生寮つぶしと対決し、自治寮を守り、寮生・学生の団結を打ち固めるため、このアピールを発します。
第一に、歴史上かつてない大恐慌が、私たちの生活を直撃しています。失業や賃金カットで家庭の収入は激減し、いまや1000万人が年収200万円以下というワーキングプアに叩き込まれています。生活保護受給世帯も昨年来うなぎ上りです。埼玉県の公立高校では1年間に学年の3分の1の生徒が授業料を払えずに中退させられています。合格したのに入学金を払えない学生は、東北大学だけでも100人以上も存在しています。高額な学費を払えずに大学に通うことを諦めざるをえない学生は、この何倍にも上っているのではないでしょうか。
このような時代だからこそ、学生寮の必要性はますます高まっています。寮生のなかには、自らの生活費と学費を払うためにバイトを掛け持ちしている人もいます。「教育を受ける権利」を守るために学生寮がつくられ、これまで寮生 の様々な闘いの歴史によって学生寮は守られてきました。いまこそ、学生寮はもっと拡充されなければなりません。
また、大恐慌は、大学をさらなる競争と淘汰の波に叩き込み、学生の間にあっても、資格や単位で競争が迫られ、仲間との団結が奪われてきています。そのなかにあって学生寮は、寮生活を通した共同性と団結に心地よさを感じながら仲間との絆を築き、人間性を育んでいく重要な場です。
これらを守ってきたのはやはり、寮生の団結であり、寮の自治です。
第二に、いま全国学寮で問題になっていることは、まさに寮生の団結の破壊、寮自治の解体です。「教育の民営化」 という形で、そのことが一大焦点となっています。だからこそ、大学・教育・寮の民営化と対決する、全国学寮の団結が求められています。
国公立大学においては、政府・大学当局は法人化による運営交付金カットを理由として、学生寮の予算削減、民間業者の導入を進めています。私立大学においても「財政難」などの理由で動揺の攻撃がかけられています。これとどう対決していくのか。これが全国寮生の共通のテーマです。
私たちは全国の仲間から、同じ苦闘をしていることを聞いてきました。なかには「改修によって自治はなくなってしまっ た。どうにかして自治を取り戻したい」という悲痛な声も寄せられました。
だからこそ、私たちははっきりさせたい。寮の主人公は寮生であり、大学の主人公は学生だということを。「教育を受ける」という当然の権利がどうして奪われなければならないのでしょうか。教育機関としての大学は、本来であれば何をおいてでも学生の生活、教育を受ける権利を守らなければなりません。ここが破壊されたところで、大学の未来などないのです。
この間、民営化による自治寮破壊の攻撃と私たちは対決し、寮生の団結を守ってきました。東北大学では寮食堂の廃止・民営化、大学当局による入寮妨害・退寮強要と闘ってきました。富山大学では寮の改修を口実とした自治権の剥奪、民間業者による寮運営を許さない闘いを呼びかけてきました。京都大学では、副学長による一方的な確約破棄宣言と闘ってきました。
また法政大学では、大学の営業権を侵害したという理由で、ビラまきを始めとしたあらゆる表現活動が禁圧され、それに抗して闘う学生が3年半で、のべ112 名も逮捕され、12名が退・停学処分を受けるという異常な弾圧が行われています。学生自治をめぐる攻防の最大の激突点として注目し、闘う学生を支えていく必要があります。
私たちは全国学寮の交流と団結の場として、全国学寮交流会運動を大きく拡大し、全国学寮生の結集軸としていく決意です。自治寮を守る団結を固めるために、全国学寮交流会への賛同と参加を強く訴えます。
第三に、新自由主義、民営化攻撃と対決し、全国の労働者・学生と団結をつくるために、11・1全国労働者総決起集会への全国学寮の賛同・参加を呼びかけます。
国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)などが呼びかける「国鉄1047名解雇撤回! 道州制=民営化反対!派遣法撤廃!」を掲げる労働者総決起集会にこそ、大学・教育の民営化、寮の民営化と対決し、寮生・学生の団結を打ち固め、自治寮を守り抜いていく道があると考えます。とりわけ、国鉄(現JR)の民営化は新自由主義の最先端の攻防としてありました。労働組合の団結を解体し、20万人の労働者を自主退職などで職場から追い出し、200人を自殺に追い込み、1047名を解雇してきたのが国鉄の民営化です。これに抗し、22年にわたって解雇撤回の原則を貫き闘ってきたのが1047名闘争であり、今回の労働者集会を呼びかけている動労千葉です。仲間を信頼し、団結に賭けきって闘うこの姿に、全国・全世界の労働者・学生が共感し、ともに闘おうとして います。
さらに、この集会には9月24日に全学ストライキを闘った米・カリフォルニア州立大学の学生も参加します。州の財政難を理由にした教育予算の削減(教職員のリストラ、賃下げ、授業料の3割値上げ)に反対し、「学長のクビを切れ!」「トップから削減しろ!」「大学の民営化反対!」「私たちが大学をつくる!」というスローガンを掲げたストライキです。11・1全国労働者総決起集会には、大恐慌の時代に、学生はいかに闘い、自らの生活と自治寮を守っていくべきか、寮生の団結を取り戻していくにはどうすればいいのかという道筋と展望があり、何よりも共に闘う仲間がいます。
「政治問題には関わらない」という寮もたくさんあります。しかし、現在の政治をめぐる問題、経済をめぐる問題は、私たちの生活の領域に深くまで影響を及ぼしています。自らの生活と自治寮を守りぬくために、いまこそ団結しよう
ではありませんか。
最後に、改めて全国の学生寮の仲間に、私たちの呼びかける全国学寮交流会への参加と加盟を訴えます。そして、1
1・1全国労働者総決起集会への参加を心より呼びかけます。 11・1労働者集会に結集し、全国学寮、全国数十万寮生の団結をつくろう! 新たな自治寮運動をつくりましょう!
2009年10月17日
全国学寮交流会有志
<東北大学日就寮>有志
<富山大学新樹寮>有志
<京都大学熊野寮>有志