『前進』新年号 織田委員長アピール

全学連が時代開く最先頭に 全学連委員長 織田陽介 

全国の学生のみなさん! 2011年は米日帝国主義による朝鮮侵略戦争の開始に対し、日本の学生、労働者階級人民が一人残らず立ち上がる年だ。日本の学生はいつの時代も反戦闘争の先頭に立ってきた。全学連は国鉄全国運動と固く団結し、安保・沖縄?三里塚決戦に立ち上がる。それは戦争以外に延命できない資本主義・帝国主義打倒の革命闘争だ。反戦闘争の中で学生自治会―全学連運動の壮大な復権と反スターリン主義・革命的共産主義の党建設を推し進め、帝国主義戦争を内乱へ転化すべく本格的準備を開始しよう。

 プロレタリア革命の圧殺が敵の狙い

 朝鮮戦争は第一に、世界戦争に行き着く、米帝(米日帝)による侵略戦争だ。腹の底からの怒りをもって米帝を弾劾し、菅政権からマスコミ、日共・カクマルに至る「北朝鮮・中国弾劾」の大合唱を粉砕しなければならない!
 米韓軍事演習は、北朝鮮の反撃意思を百も承知で、住民避難や国連軍の駐留までして強行されている。「先に砲撃したのは」といくら議論しようと、現実には米帝による北朝鮮の軍事的転覆を目的とした、朝鮮半島を火の海にする侵略戦争だ。
 世界大恐慌はますます深化し、米財政は破綻必至、失業問題は政治危機へと転化し、オバマの支持率は下がっている。戦後世界体制の盟主・米帝の崩壊は、世界支配の崩壊であり、始まった戦争は後戻りのきかない世界戦争だ。
 第二に、世界支配の崩壊は、世界、とりわけアジアプロレタリアートの闘いの爆発として結果し、また促進されている。韓国現代自動車の非正規労働者の闘いは、新たな時代の到来を告げ知らせた。この夏に組合に入ったばかりの青年たちが初めてのストライキに立ち、さらにそれが多くの青年を組合に結集させている。正規労働者もこの闘いに合流を開始した。「派遣になりたくなければ競争しろ」と学生・青年が支配されてきた時代は終わった。
 北朝鮮の体制崩壊は南北朝鮮プロレタリアートの決起を生み出す。だから、朝鮮?中国?アジアプロレタリアートの決起を血の海に沈めるためにこそ戦争が開始された。オバマは「正義の戦争」としてこうした戦争を続けてきた。絶対に許してはならない! そしてまた、米帝の戦争目的は、開始された沖縄と日本本土のプロレタリアートの決起の粉砕でもある。

 帝国主義の息の根を止める安保闘争

 第三に、だからこそ日帝の参戦問題が最大の焦点となった。日本学生の反戦闘争は、アジア革命の命運のかかった位置を獲得した。
 戦後世界体制は世界のプロレタリアートの革命に対する血の弾圧をもって成立し、戦争に次ぐ戦争によってのみ維持されてきた。世界の反戦闘争が最大の力になり、ベトナム敗戦を転機に、米帝は単独では戦争に勝てないまでに没落した。日本列島と沖縄が朝鮮半島への出撃基地となるのか否か。それが安保問題だ。他方、アジア・日本のプロレタリアートの怒りと闘いによって軍隊を解体された日帝も、「戦争のできる国」への唯一の道として安保にすがりついてきた。安保=基地の矛盾の集中点・沖縄が、怒りの爆発を開始した。基地問題の解決は、「移転」ではなく、米軍基地の全面撤去であり、安保粉砕であり、それは帝国主義の息の根を止めるほどの闘いとなったのである。
 安保粉砕の闘いはすなわち、日帝国家権力との激突であり、菅政権を打倒しプロレタリアートが権力を掌握する革命の問題だ。ブルジョア国家は階級支配のための暴力装置であり粉砕対象だ。「国家防衛」では戦争を止めることはできない。革命的祖国敗北主義を掲げ、侵略戦争を内乱=自国帝国主義打倒に転化していくことがわれわれの立場だ。
 情勢の核心点は何か。第一に、今年、日帝の政治支配の崩壊は不可避だ。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)と朝鮮侵略戦争は、米帝が日帝をアジア市場からたたき出す争闘戦としてもある。TPPへの参加、農業の崩壊は農民・地方の反乱を意味する。さらに日帝の参戦問題は日本プロレタリアートの改憲・戦争動員への怒りを燃え上がらせ始めている。
 沖縄プロレタリアートと菅政権の対立は、沖縄県知事選をもってますます非和解化した。仲井真の「県外移設」に対する「左」の対抗は、「グアム移転」=戦争の継続として提起され、万の集会を何度も実現してきた沖縄プロレタリアートは投票所に足を運ばなかった。連合を足場に戦争と大増税の政策を進める菅政権との非和解化は連合との非和解化だ。菅政権は連合や社民党を巻き込みながら、ますます日帝ブルジョアジーへと近寄っていく。こうした矛盾は階級的労働運動を組織する国鉄全国運動の前進を必ずや切り開く。
 第二に、菅政権の危機は元航空幕僚長・田母神らのファシズム運動を生み出している。彼らは閉塞(へいそく)的な現状の突破を、「極左民主党政権による弱腰外交」の粉砕へと求める。米帝国主義との関係、もしくは日本プロレタリアートとの関係において日帝が戦争すらできない現状を、マルクス主義を粉砕して突破する反革命運動だ。ファシズムは民主主義の崩壊を受け、擬似「革命」を掲げて革命を圧殺するブルジョア支配の暴力的継続である。菅政権の崩壊は、革命的共産主義運動とファシズムを生み出している。戦争反対か賛成か、国際連帯か愛国主義か、世界革命か世界戦争か。いまや激突する二つの路線の選択が、激突する二つの具体的運動の選択として、歴史のかかった人生決断として、全人民の最後の一人にまで迫られる時代が到来した。
 第三に、11月勢力を先頭とする日本プロレタリアートはファシズム運動を粉砕する力を十分に持っており、日本革命の展望は明らかだ。田母神は「中国が攻めてきたらどうするのか」と主張する。この論法そのものが「戦争はなぜ起こり、いかに止めるのか」という理論的立場を排し、帝国主義の攻撃の追認を前提とした無理論的立場だ。ラジカルに怒れる青年・学生を反革命的に動員する運動に求心力が生まれるはずもない。他方で11・7労働者集会は、労働者・学生・農民の国際的団結で戦争を止められると訴えた。この理論的立場は、2010年、動労千葉や関西生コンのストライキ、沖縄闘争や三里塚反対同盟の実力決起、さらに学生を先頭とした反戦闘争の実践の中から打ち立てられた。
 マルクス主義とは自らを強くする密集した反動を生みだして進む労働者階級の不敗の理論であり、攻撃に真正面から立ち向かい、粉砕しては理論化する中で、ますます不敗となっていく実践的科学だ。だから、敵の攻撃に立ち向かえない日共やカクマルは、ファシズムを粉砕するどころか、排外主義の扇動とファシズムへの道を切り開くのであり、11月勢力にこそプロレタリアート独裁の力が宿っているのである。

 闘って組織拡大と指導部の建設を

 2011年の方針は何か。
 一つに、国鉄全国運動と固く結合した、安保・沖縄、三里塚を軸とした反戦闘争だ。沖縄の怒りを圧殺するために、菅訪米?「日米新共同宣言」が狙われている。菅訪米を実力で粉砕する闘いから70年を超える学生運動の大爆発を切り開こう。三里塚闘争も第3誘導路建設阻止の決戦に入った。成田軍事空港粉砕の三里塚は、沖縄と並び、本当に朝鮮侵略戦争を阻止できる反戦・反権力の拠点だ。実力闘争で闘う反対同盟に応え全学連はどこまでもともに闘う。
 二つに、法大決戦だ。侵略戦争は同時に内への階級戦争だ。弾圧をうち破るキャンパス支配権、自治会権力をめぐる権力闘争を強力に進めよう。「内定率57・6%/我慢も限界」という学生の怒りの最先端で、ついに法大闘争が大爆発しようとしている。勝つことが最後、学生の怒りを解き放つ。倉岡処分を本当に阻止しよう。
 三つに、国際連帯闘争のさらなる発展だ。世界の学生の闘いは新たな段階を切り開き、国際学連の復権が見えてきている。
 こうした闘いの一切を、組織拡大と指導部の建設を総括軸に闘おう。沖縄・三里塚の階級決戦を断固引き受け、その激突の中から組織拡大を壮大にかちとる。そしてこの中から全学連の強固な指導部体制を生みだそう。
 すべての学生のみなさん! 自らの行動にアジア革命と安保粉砕・日帝打倒の力が宿っていることを自覚したとき、昨日と同じ今日を生きていいのか。私たち学生は売れ残った労働力商品でもなければ、大学資本の儲(もう)けのために働く奴隷でもない。闘いのときは来た。2011年に一切をかけ、300万学生の嵐のような怒りと闘いを!

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